---

　亜鉛は身体の中の全ての組織や組織液に含まれ、生体に必要な225種以上の酵素の構成成分となっています。血液中に蓄積されている亜鉛はストレス、病気あるいは炎症反応が発生すると、これらに対応するために血漿亜鉛は著しく低下します。もしストレスや病気の状態が数日間長引くと、亜鉛はマイナスバランスとなってしまいます。

　近年、亜鉛が必須の栄養素であること及び免疫増進に有効に働くことから、その吸収に関するいろいろな報告があります。イオン状態の亜鉛（ZnSO4など）は大量には腸管粘膜を通過することができません。能動的に亜鉛を吸収させるためにはアミノ酸などと結合させた有機ミネラル複合体が優れていることがわかってきました。ジンプロはまさに有機体亜鉛なのです。乳牛の免疫機構を増強する目的で開発されたジンプロが、乳汁中の体細胞数の低下に有効であることが観察され、研究が進展しました。米国の各州立大学などで試験が行われ、特にコーネル大学では搾乳後乳頭の乳房炎起因菌を含んだ液で浸漬するという強制感染試験を行ないました。下の表からジンプロ給与の効果は次のように結論することができます。

1. SCCは確実に低下しています。
2. SCCが40万を超えている場合は1日3.6g以上のジンプロを与えるべきです。
3. 乳量は少し増加することが読み取れます。
4. ジンプロは、長期間給与する必要があります。

泌乳牛飼料中の硫酸亜鉛メチオニンの効果

試験実施機関	試験期間	供試頭数		体細胞数（千）		乳量（kg）
		対照区	試験区	対照区	試験区	対照区	試験区
ワシントン州立大学	47週間	40	40	231	136	27.4	28.9
ワシントン州立大学	18週間	15	15	218	176	35.4	36.6
イリノイ州立大学	52週間	18	18	243	228	26.9	27.0
コロラド州立大学	8週間	38	38	250	195	35.4a	37.9b
英国の試験	26週間	48	48	497	390	24.2	25.2
平均				288c	225d	29.9e	31.1f
コロラド州立大学	8週間	38	38	560a	282b	36.0	38.1
コーネル州立大学	8週間	29	29	421a	315b	-	-
平均				491	299	31.3g	33.1h

硫酸亜鉛メチオニンはZinpro Corpが製造しているZinpro40を使用
上段は硫酸亜鉛メチオニンとして1,800mgを給与
下段は硫酸亜鉛メチオニンとして3,600mgを給与
a,b:P<0.05;c,d:P<0.01;e,f:P<0.085で有意差あり

　ワシントン大学と英国の野外試験では、臨床型乳房炎の発生は、合計して対照区26頭に対して試験区は14頭と半減しており、これがSCCの低下のみでなく乳量増加につながっていると推測されました。 また、ジンプロ給与の牛は血漿中ビタミンA、β−カロチンが著しく増加しており、研究者たちは体内蓄積ビタミンAが大量に動員されている証左と結論しています。コーネル大学の強制感染試験では、ジンプロ給与区はSCCが低く、給与したジンプロの効果が認められました。即ち無乳性連鎖球菌が乳房内へ侵入することは対照区、試験区とも同じですが、ジンプロ給与区では臨床型乳房炎には到らなかったと報告しています。SCCに対してジンプロが効果があると判定されましたが、これは血漿中亜鉛の増加によって乳腺細胞が強く健全になったこと及び牛体の健康増進がもたらしたものであることは明らかです。ニツサン情報第1号でお知らせしましたジンプロ給与が蹄葉炎などに有効であることを発見したのは、イリノイ大学のこの時の試験結果であることを付記しておきます。

---

　ニツサン「セルトフービス」はジンプロ（亜鉛メチオニン）を高濃度に配合した乳牛用保健プレミックスです。血中の高濃度の亜鉛が、銅、マンガンなどと共に働いて体内免疫機能を増進させることから、ジンプロ以外に各種のビタミン、ミネラルをバランスよく配合しました。 セルトフーピスは、1日1頭当り25〜50g給与すると、1.8〜3.6gの硫酸亜鉛メチオニンが摂取されることになっています。

1. 乳汁中のSCCの抑制
2. 分娩後に多発する蹄底疼痛の予防・治療
3. フリーストール環境などで起こりやすい蹄軟化の予防・治療

以上の目的のほかに、継続給与すると乳牛の健康増進に効果的です。詳しいことについては弊社担当者にご質問ください。

セルトフービスの内容

硫酸亜鉛メチオニン（ジンプロ）、硫酸鉄、硫酸銅、炭酸亜鉛、炭酸マンガン、ヨウ化カリウム、酸化マグネシウム、ビタミンＥ、ニコチン酸、バントテン酸カルシウム、カゼイン、アルファルフアミール、とうもろこし粉、米ぬか油かす

---

ホーム 戻る